韓国の人気グループＢＴＳ（防弾少年団）は１１日夜（日本時間１２日未明）、サウジアラビアの首都リヤドのキング・ファハド国際スタジアムでワールドツアー「ＬＯＶＥ　ＹＯＵＲＳＥＬＦ：ＳＰＥＡＫ　ＹＯＵＲＳＥＬＦ」の追加公演を行う。
今回のコンサートは、サウジアラビアでアラブ圏以外の歌手により開かれる初のスタジアム公演だ。ＢＴＳは２０１６年にアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のアブダビで開かれた韓流フェスティバル「ＫＣＯＮ」に参加しており、中東でのステージは初めてではないが、大衆文化が制限された国でスタジアム公演を行うという歴史的一歩を踏み出すことになる。公演を前に、スタジアム内の広場に設けられた公式グッズ売り場には長蛇の列ができ、いくつかの商品は早々に売り切れた。全身を覆う黒い「アバヤ」や髪などを覆う「ヒジャブ」などを身に着けた女性ファンはほとんどが１０〜２０代で、サウジアラビアだけでなくクウェートやＵＡＥなどからもファンが集まった。リヤドまで３時間かけて来たという女子高生は「ＢＴＳの音楽を通じて自分を尊重し、愛するようになった。ＢＴＳが私の人生を変えた」と語った。サウジアラビア政府が先月２８日から韓国を含む４９カ国・地域に対して観光ビザの発給を開始したことから、公演のために同地を訪れた韓国人ファンの姿もみられた。

◇大規模公演へ準備万端　現地事情に合わせ振り付け変更も
　ＢＴＳの所属事務所、ビッグヒットエンターテインメントは中東地域での初の大規模コンサートに備え、万全の準備を行った。事前にダンサーなどの出演者やスタッフを対象にイスラム文化圏についての研修を複数回行い、女性スタッフにはアバヤを着用するよう勧めた。公演で歌われる曲の歌詞は修正しないが、数カ所の振り付けを変更することを決めた。事務所の関係者は「現地の情緒を考慮して腹筋の露出などを控えるほか、メンバー同士が親密さを示す動きは修正する予定だ」と説明した。ＢＴＳは「ファンに会うのが非常に楽しみだ。最高の公演をお見せできるよう努力する」とコメントした。サウジ公演は、ポータルサイト大手ＮＡＶＥＲ（ネイバー）の動画配信サービス「Ｖライブプラス」で独占生中継される。