韓国政府は中小企業の輸出拡大に向け、マーケティングでの積極的な「韓流」活用を支援する。中小ベンチャー企業部が６日、対策を発表した。
北米など先進国市場ではアマゾンのようなインターネット通販世界大手の販路を活用する。東南アジアなど新興国市場では地場のネット通販サイトに韓国のサイトの商品ページを反映させるなどして韓国製品の販売をサポートする。近ごろ韓流の勢いが増しているインドやトルコ、中南米の場合は、通販サイトへの出店だけでなく、宅配や決済などのインフラ整備にも取り組む計画だ。海外で活発に活動する韓国人のインフルエンサーや１人クリエーターをデータベースで蓄積し、それぞれのＳＮＳ（交流サイト）チャンネルで韓国の商品を紹介する仕組みをつくる。商品の宣伝となるコンテンツの制作費も支援する。また、芸能事務所と連携し、新人の韓流スターを商品の企画段階から参加させ、ＰＲの相乗効果を狙う。韓国総合コンテンツ大手ＣＪ　ＥＮＭの韓流イベント「ＫＣＯＮ」の開催地も増やす。ＫＣＯＮはＫ―ＰＯＰコンサートと韓国中小企業の製品の展示を組み合わせたイベントで、これまでは日本や米国、タイなどで催されていた。中小ベンチャー企業部は中小企業の輸出の有望分野と見なす▼化粧品▼ファッション・衣料▼生活用品・ベビー用品▼農水産食品▼医薬品――の輸出額を２０１８年の１５３億ドル（約１兆７０００億円）から２２年には２２０億ドルに引き上げるという目標を掲げた。同部関係者は「韓流イベントに商品を展示するといった１回限りの販促イベントにとどまることなく、企画開発段階から韓流と企業を連携させて海外販路を拡大できるようにする」と説明した。